第59回租税法研究会・第25回プロゼミ・第17回研究ゼミ

59回スタンダード

59回スタンダード2

25回プロゼミ2

2017年4月8日(土)、第59回租税法研究会・第17回プロゼミ・第25回研究ゼミが開催されました。

第59回租税法研究会(スタンダードコース)では、第1部に、商品券購入のための費用は交際費等として損金の額に算入されるかが争われた事例―東京地裁平成27年9月9日判決―について、研究員より発表がなされました。実務上の注目度も高い交際費等の範囲について活発な意見交換が行われました。

第2部では、公正証書があったとしても贈与税の負担回避のために作成されたと認められるときは、登記手続のときに贈与による財産取得があったと判断された事例―名古屋高裁平成10年12月25日判決―を基にディスカッションがなされ、酒井教授より解説が加えられました。

第25回プロゼミでは、相続税の事案において、重加算税の賦課が否定された事例を素材として、国税通則法68条にいう隠ぺい又は仮装の認定の是非につき、検討が加えられました。

重加算税の賦課要件は、国税通則法68条に申告書提出以前に「隠ぺい又は仮装」が必要である旨が規定されているところ、法定申告期限後の税務調査において虚偽答弁等を行った場合に「隠ぺい又は仮装」があったといえるか否かについては議論があるところです。国税庁の通達においては、そのような場合でも重加算税が賦課される余地がある旨が示されていますが、相続人の間で税務調査に対し積極的には協力しない旨の漠然とした合意が形成されていた場合に重加算税の課される得るのかについて議論を加えています。

第17回研究ゼミでは、来春発刊予定の共同執筆書籍『通達のチェックポイント〔所得税編〕』に向けて、各自の担当事案の整理等がなされました。