● あなたの会社の「タックス・コンプライアンス」足りてますか?
経営者や従業員による法令違反の不祥事は、会社のブランドイメージを大きく毀損します。SNSの発達とともに消費者の目線も厳しくなる中、たった一つの不祥事が企業の命取りになることも珍しくありません。企業の社会的責任(CSR)が当然のものとなった今日、コンプライアンスの充実に向けて、内部統制の構築・ガバナンスの徹底を図っている企業も多いことでしょう。
さて、タックス・コンプライアンスの遵守についてはどうでしょうか。各種の消費者法や企業法の遵守と同水準で、租税法の遵守を徹底していますか? 仮に経営陣の中でそのような意識が共有されていたとしても、個々の部門や従業員レベルではどうでしょうか。 脱税とまでは行かずとも、国税当局から指摘されたところを修正申告すれば足りるというような姿勢は、些細な企業不祥事にもレッドカードが出されかねない今日において、リスクのある経営姿勢と言わざるを得ないでしょう。 海外では、適法に租税回避を試みたスターバックスコーヒーが、大規模な不買運動を起こされるなどしておりますが、日本でそのような事が起こる日もそう遠くないでしょう。
国税庁もタックス・コンプライアンスの徹底に本腰を入れており、租税法領域における内部統制が十分と評価できる大企業に対して、次回の税務調査の先延ばしや、調査の負担軽減を図るといった措置(アメ)を取り入れていますが、中小企業も順次対象とされていくものと想定されます。他方で、各種加算税の重課や、必要な調書を提出しない企業に対しての罰則(ムチ)も増加・厳罰傾向にあり、国税当局のタックス・コンプライアンス重視の姿勢が如実に現れています。
もっとも、売上隠しなどの脱税は違法ですが、節税は適法であり本来何ら非難されるものではなく、経営者としてタックス・コストの軽減を図ることは重要な使命の一つです。しかし、CSRが叫ばれる今日において、過度な節税行為は時として世間からのバッシング対象となってしまう恐れがあることを念頭に置く必要があるでしょう。そこでの線引きを決する基準として、会社のタックス・コンプライアンスが大変重要になってくるのです。
ファルクラム租税法研究会では、上記のような観点から、一般企業向けの租税法関連講座の開催や講師派遣も承っております。詳しくは事務局まで「お問合せ」ください。