第2回 プレップ・ファルクラム

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2017年7月11日(火)、第2回 プレップ・ファルクラムが開催されました。

前半、ファルクラム上席主任研究員の臼倉真純より、「租税法に厳格な解釈が求められる理由」を中心に解説がなされました。

租税の財産侵害性や、納税者の予測可能性といった点を確認するとともに、租税特別措置の解釈の在り方などについて解説がなされました。

現行の実務では、租税特別措置法による規定をはじめ、多くの租税特別措置が設けられ、毎年の税制改正でも多くの特別措置が制定・改正等されています。租税特別措置は、納税者の租税負担を軽減するものであることが通常ですが、そうしたいわば納税者有利な租税法の規定について厳格な解釈を行う必要はどこにあるのでしょうか?むしろ納税者有利に働くのであれば、解釈によりその適用範囲の拡大を図る方が良いといった意見もあるかもしれません。

プレファルでは、文理解釈と目的論的解釈という解釈手法を確認していくことになりますが、なぜ租税法の世界では一般的に文理解釈が優先するとされているのか、その理由を考えます。

後半は、酒井克彦代表より、節税と脱税、そして租税回避の整理がなされました。

「普段実務で行うものが節税」、「やってはいけないものが脱税」、「間のグレーゾーンが租税回避」、このようなアバウトな理解は果たして正しいのでしょうか?課税要件の充足といった法律的観点からこれらの整理がなされました。

第1回 プレップ・ファルクラム

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2017年6月13日(火)、第1回 プレップ・ファルクラムが開催されました。

前半、酒井克彦代表より、「租税とは何か」という根本的な命題について解説がなされました。「税」と名前の付くものはすべて租税といえるのか、租税とはそもそも何なのか、これからの学習にあたっての土台についての説明がなされました。いわゆる旭川国民健康保険料事件上告審、最高裁平成18年3月1日大法廷判決などを中心に租税の意義とは何かを学びました。

後半は、ファルクラム上席主任研究員の臼倉真純より、プレファルで解釈論を学ぶ前提として、憲法84条をはじめとする租税法の大原則である「租税法律主義」とその内容について解説がなされました。また、租税法の「法源」や、法と施行令、施行規則、通達の違いなどについての基礎知識についても説明がなされました。

「租税とは何か」といった議論や、「租税法律主義」などは、当然の前提のようにも思われますが、当然のことすぎて実はあまり深く考えてこなかった部分が多いようにも思われます。改めて「知っているようで知らない」これらの土台部分を理解することが、これからプレファルで学ぶ解釈論の基礎となるはずです。

プレップ・ファルクラム〔ガイダンス〕

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2017年5月9日(火)、プレップ・ファルクラムのガイダンスが開催されました。

ファルクラム租税法研究会(スタンダードコース・プロゼミコース)は、研究員による発表のみならず、それに対する意見交換、議論、討論を少人数のテーブルごとに行うことが特徴的です。

しかしながら、いきなりグループ討論となると少し腰がひけてしまう、レベルに着いていけないのではないか、もう少し基礎的な部分をインプットしたいという要望を受け、ファルクラム租税法研究会の基礎コースとして、スクール形式でのプレップ・ファルクラム(プレファル)を開講することとなりました。プレファルで租税法の基本を学び、応用的な理解へとステップアップしていきましょう。

プレファルは、税理士等士業の方のみならず、どなたでもご参加いただけます。
税理士事務所勤務のスタッフの方、企業の財務部や経理部等にて租税に携わる方、現在税理士試験を目指している方など、「租税法」を一から学びたい方にお勧めです。

ガイダンスでは、まず酒井克彦代表よりファルクラムの概要と、租税法を法学として学ぶことについて説明がなされました。次いで、ファルクラム上席主任研究員の臼倉真純より、今後のプレファルの概要、進め方等についてガイダンスを行いました。